リサイクルの品質について

リサイクルにおいて分別が重要となる理由の一つに、廃棄物由来の原料として使用する際の”品質”があります。

まずリサイクル可能物の回収に関して、大きく”事業系”と”家庭系”に分かれます。
事業系の回収物は工場・事業所・店舗などで発生し、ロットが大きく一般的に単一素材で構成されているのが特徴です。
家庭系は家庭から発生し、自治体による資源ごみとして委託業者が回収するものになります。

事業系でリサイクル品質が問題になることはあまりありませんが、今回の中国の輸入禁止措置につながったと言われる家庭系のリサイクル品質においては、その回収方式による違いが存在します。

日本では市民が当たり前のように古紙、廃プラ、カン、ビン、ペットボトル等を分別して排出していますが、これは世界でも非常に稀有な生活様式です。

米国、欧州などではシングルストリームという回収方式が一般的で、廃棄物をリサイクル可能物とその他(可燃物)、というようにざっくりと分け、リサイクル可能物として古紙、ビン、カン、ペットボトルなどを一緒くたに回収し、郊外にある巨大処理施設の大規模なラインで分別し、種類ごとに梱包してリサイクル原料としています。

しかし、一度混ざったものを分別するのは不可能に近く、当然、作られるリサイクル原料には様々な不純物が混じります。つまり、古紙として購入した原料にビンやペットボトル、ピザの箱やティッシュ、紙オムツなどの生ゴミが大量に含まれている、ということが頻繁に起こります。

古紙などはまだまともな方で、これが種類も多様で、歴史の浅さからリサイクル知識が体系化されていない廃プラスチックにおいて特にひどかったわけです。

環境規制の甘かった中国では、これらの輸入廃棄物原料由来の不法投棄が横行し、その規模も凄まじかったため、政府が規制を強めたというのが問題の原因の一端です。

シングルストリームはそのわかりやすさから、リサイクルされる量自体は劇的に増加するものの、リサイクル原料の品質低下を招きます。
一方で日本式のリサイクルも、分別する市民の負担や回収コストが大きく、トータルの環境負荷を考えると効率的でないという説もあり、また、市民による細かい分別は世界のスタンダードにするには現実的でないとも言われ、一概にどちらが良いのかはわかっていません。

中国などは、シングルストリームを基本とした上で、AIを用いた処理施設の精度向上や、分別教育の実施、日本より厳しいほどの廃棄物処理法の制定など矢継ぎ早に対策を進めています。政府によるリサイクル関連事業者への資金投入も活発であり、それを商機とみたIT事業者の参入によって、ハイテクとローテクが入り混じる、過去に例のない状況となっていたりします。

分別しないのも、し過ぎるのも良くないという難しい問題なのですが、これはあくまでリサイクル回収物を原料として利用するマテリアルリサイクルを前提とした場合の話で、他にも熱回収や発電などの用途は存在します。その点についてはまた別の機会に紹介したいと思います。

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