同級生が日本の移民政策に関する本を出版しました。大変誇らしいと同時に、この件に関しては自分も考えさせられる点があったので紹介したいと思います。
当社では某イスラム圏出身の方が昨年5月に入社し、正社員として働いていました。
彼は50歳そこそこで、日本に来て12年、難民申請をしながら就労可能ビザを半年ごとに更新し、ずっと契約社員で働いていたそうです。
日本語はうまくはないですが、コミュニケーションは十分なレベルで、奥さんと一緒に宗教上の理由で亡命してきたようでした。非常に気さくで明るく、また腕が競輪選手の太もも並みに太いのでパワーはS、100kgの鉄カゴを素手で積めるほどでした。
当社は実力があれば肌が緑色の奴でも使う会社なので、フォークリフトと運転の経験のある彼には長くいてもらうよう、中型免許を取りに行ってもらった矢先でした。
例年通り就労ビザの更新をしに行ったところ、東京入管の方針が変わったとかで、就労不可とされてしまったと、そういったトラブルを専門に扱う弁護士の方から連絡がありました。
彼はキリスト教に改宗しており、それが帰国できない理由でもあるのですが、日本においてはキリスト教コミュニティに色々と協力してもらっていて、当社での面接も教会メンバーと一緒に来ており、弁護士もその方に紹介してもらったそうです。
ビザがおりない理由を尋ねても、「方針の転換」としかわからず、オリンピックの前に不法滞在者を一掃しようとしてるとか、今回の移民法改正のための動きだとか、諸説ありますがはっきりとした理由は教えてくれないようです。
就労不可となってしまったので、会社に籍は置きつつ、東京入管に不服申し立てと裁判を起こして何とか継続就労、もしくは難民認定できるよう弁護士の方が頑張ってくれているのですが、裁判所はなかなか結論を出しません。
10月からそのように就労を制限されているので、裁判所には生活および生命の危機として判決を繰り上げるよう再三申し出ていますが、結果は不許可であり、彼は奥さんと自宅軟禁状態を強いられています。
現実問題として家賃や生活費は発生するし、日々の食事をどうしろというのか?明らかに生命の危機であるのに、判事は何を考えているのか?
申し伝えられるばかりで正確に状況を掴んでいないので何とも言えませんが、少なくとも彼は12年間問題なく仕事をして日本で生活をしてきており、なぜそのような実績ある人間を追い出すような仕打ちをするのか?
今現在日本にいる外国の方にそのような態度をとる一方で、法改正してまで新しく外国人を受け入れようというのは一体どういう了見なのか?
はっきり言って気に入らないし、同じような境遇の方が他にも多くいるとすれば、新たな外国人受け入れポリシーがうまくいくとは思えないし、不安しかありません。
今月中旬に裁判の結果がわかるそうなので、また追って紹介できればと思います。
彼の一日も早い復帰を願っています。